2008/11/10

昔と今の違い ~反物の幅~

6日からお客様感謝祭が始まり、たくさんのお客さんに来店していただいています。
今日はお客さんとの会話で印象に残ったことを一つ。

昔と今のきものだと柄、色、きものと帯の組み合わせなど異なる点がいくつかあるのですが、反物の幅も大きく変わってきています。

親父が店を継いだころなので、かれこれ40年ほど前の話ですが、昔の反物の幅は9寸3分(1寸は3.8cm)あれば良いと言われていました。
というのも、反物の幅がもっとも影響するのは、袖幅なのですが、昔の人の袖幅は8寸5分が多かったのです。
(袖幅と肩幅を足すと裄となり、裄とは首の後ろから袖の先までの長さのこと。)
そのため、縫いしろを入れても9寸3分あればきものに仕立てられたわけです。

ですが、現在では日本人の平均身長が伸びるとともに手の長さも長くなっているため、袖幅が8寸5分では短いのです。
現在は、袖幅は9寸以上ある人が多くなってきました。
そうすると反物の幅も1尺以上必要になるのです。
きものの上に着る羽織やコートの場合はもっと必要になります。

つまり昔に比べて反物の幅が4cm以上広くなってきたというわけですね。

きもののリサイクルショップなどで購入される場合、こういったことにも注意が必要だということを覚えておくと良いかもしれません。

3 件のコメント:

  1. とても勉強になりました。
    ところで、反物の幅により、袖丈が決まってしまうというのはわかりましたが反物の幅が9寸3分のせいで「裄丈」が短くなる可能性はあるのでしょうか?
    ご教授ください。

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  2. >匿名さん
    コメントありがとうございます。

    反物の幅が影響するのは、”袖丈”ではなく、”袖幅”です。

    反物の幅が9寸3分の場合、袖幅は8寸7分程度、肩幅は8寸6分程度でいっぱいです。
    ということで、裄(袖幅+肩幅)は1尺7寸3分あたりが限界です。

    反物の”幅”は裄、つまり手の長さに影響します。
    反物の”長さ”(総丈と言います)は身丈や袖丈、つまり背の高さに影響するのです。

    うーん、紛らわしいですね。

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  3. 勘違いしていました。
    反物の幅は横の裄丈に
    反物の長さは上下の身丈に影響するのですね。
    わかりやすくありがとうございました。
    おかげさまでばっちり覚えられました。

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