2011/11/19

調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論

このところまたしてもブログの更新が滞ってしまった。
今回は最近読んだ本についてまとめて書こうと思います。

まずは、「調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論」。

入社一年目の教科書のように「良き社会人となるための行動の指針」のような本も良いんだけど、それ以前に、できる人間になりたい!だとか、もっとがんばらなきゃ!みたいな想いを育めるような本って、三国志や竜馬がゆくのような歴史関係の本か、自伝系の本だと思うんですよねぇ。
僕は食べることが好きで、料理人てかっこいいなぁと思っているので、時々料理人の人が書いた本を読んでいます。
以前読んだ「世界で一番ちいさな三つ星料理店」のページをアマゾンで見ていたら、この本がレコメンドされたので買ってみました。

実際に読んだのはもう数ヶ月前なんですが、今でも心に残っていて実践していることを少しだけまとめておきます。

・掃除の大切さ
斉須さんのフランス料理の修行の日々を綴った本なのですが、そのなかでよく掃除の話が出てきます。
一緒に修行をした同僚のレストランを訪ねたときに、その同僚から、「マサオ」と呼ばれて換気扇を触る。
完全に綺麗に掃除されている換気扇に、「かなわないなぁ」と思う斉須さん。
といった具合に掃除の行き届き方を競う姿勢に、「誰でもできることを誰もができないほど徹底的に継続してやること」が大切なんだなぁと思わされた。
最近は色々な自己啓発系の本の影響もあって、掃除が好きになっていたところだったけど、さらにもう一段階、掃除の時間が増えました。

・日々の小さな決意・宣言がその人の人格をつくる
「よし、こうしよう」という、毎日の小さな宣言の積み重ねがその人の人格をつくる。
だから自分に少しずつ高い目標を設け、それを一つずつクリアしていくことが、長い目で見れば大きな飛躍につながるんだな。

・あえて非合理な職場にしておく
本の中では、斉須さんが働いた様々なお店の話が出てきます。
そのお店の中で、「なぜ、こんなに動きにくい職場なんだ」と思ったことが多々あったそうで。
人の動く導線をあえて非合理にしておくことで人と人が衝突する。
体がぶつかるという意味ではなくて、必然的にコミュニケーションを取らないといけない状態にしておくという意味ね。
そうすることでメンバーの会話が触発されて、個人のスキル向上、チームとしての力の向上を狙っているんだろうなぁと感じた。
僕はかなり合理主義的な考えなので、この部分はとても印象に残っています。
そうか、チームを作っていく上であえて非合理にしておく部分ってのは必要なのかもしれないなぁ。
狙ってできるものじゃないのかもしれないけど、みんなが決められた役割を淡々とこなすだけでは絶対仕事はうまく回らない。
隙間を埋めあう心遣いが必要だし、そういった環境を意識的に用意することは大事なことなんだろうなぁと思いましたね。

今のところ、具体的に自分が変わった点はより掃除をするようになったことくらいですが、これからどこかで活きてくるような気がする本です。

興味ある方はぜひ。
ちなみに僕は1800円もする方を買ってしまいましたが、文庫版が出ているそうなのでそちらをおすすめしておきます。



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