今日は婆ちゃんと親父と夕食中に昔の洗い張りについての話になりました。
昔は各家庭できものを解いて洗っていて、仕上げはだいたい板張りだったそうです。
板張りというのは、今はだるまやでもしていませんが、洗った反物を板に張り付けてしわを伸ばすのです。
多分このブログの読者の方の中には、お婆ちゃんに聞くと「昔は板張りをしてたのよ~」というような話を聞ける方もたくさんいると思います。
当時の洗い張りは、板張りと伸子張りという2種類の仕上げ方があり、板張りは主に木綿や銘仙の反物を仕上げ、紬などは伸子張りで仕上げていたらしいです。
というのも、板張りは手間はかからないけど、小じわが消えにくく、伸子張りは手間はかかるが、小じわもばっちり消えるということで、うまく使い分けていたらしいです。
板張りならきもの一枚分張るのに数十分だと思いますが、伸子張りの場合、きもの一枚分仕上げるのにプロの職人でも1時間半ほどかかります。
というわけで、家庭では板張り、家庭で手に負えないものは職人に任せていたという時代があったのでしょう。
今でも古い家では、板張りに使った板があるかもしれませんね。
板張りは糊を引かなかったのかと思って聞いてみると、板に張り付けた後に、布のりを引いていたらしいです。
板に張り付けて、布のりを引いて、日当たりの良いところに干しておくと、乾いてきたときに早く取らないと風で飛ばされてしまったようで。(笑)
何だか想像してみると懐かしい感じがするいい風景ですが、今ではすっかりそんな様子はなくなり、職人の世界でも、伸子張りを使わず機械(湯のし機)で紬から何から仕上げてしまう時代になりつつありますね。
親父や婆ちゃんの昔話を聞くのも楽しい時間だったりする今日この頃でした。
やってましたよ、母が。
返信削除私は乾くとペリペリとはがすお手伝いを
やらされていました。
古い張り板がいたんだので、
嫁入りのときは、父が作ってくれたのを
持参しました。
今でも玄関に立てかけてあります。
たまーに使いますよ。
表を通る皆さんは、伸子張りも板張りも、
物珍しげに見ていかれます。
たまに声をかけてくださる方がいますが、
なんと私より年上の方がほとんどで、
「母がやっていたの、懐かしいわ」…、
やってる私はずっと年下なんですが。
うちも亡くなった祖母の家の縁の下に
返信削除伸子針と長~い張り板があったそうです。
でも伸子針は捨てられちゃったし
板は父の手製物置き場の棚になっています。
昭和20年生まれで着物にあまり縁なく育ってきた両親は要らない物は捨てて
綺麗サッパリ生活大好き人間
かたや私は古いもの大好き人間
同じ縁の下から出てきた大きな火鉢二つ
庭で汲み置き用の鉢になっているのを
ためいきついて見ております。
火鉢としては使えないよーと声が飛んできましたよ
今の家は密封されてるから、中毒になってしまうとか…
>とんぼさん
返信削除親父に聞いたら、だいたい嫁入り道具として、きもの一式と洗い張り用の張り板を持っていったと言っておりました。
うーん、今とはだいぶ違いますね。
>ちっくさん
先日はご来店ありがとうございました。
確かに古いものを使わない時代になってますねぇ。
僕はこういった生活をしているので、歴史のあるものに興味を持つようになりましたけど、多分この仕事を選んでいなかったら興味持っていないだろうなぁと思います。
古き良き日本も残していけるといいんですけどねぇ。