2010/02/18

財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上 ~丁稚のすすめの感想~

先日、麹町カフェに友達と行った日、待ち合わせの時間よりだいぶ早く半蔵門についた僕は、本屋さんで時間を潰していました。

僕は本が大好きで、本屋さんなら1時間くらいは余裕で時間を潰せます。
で、この日も20冊くらい立ち読みをしたのですが、1冊だけ気になる本に出会いました。
ちなみに、僕の立ち読みの仕方は、タイトルが気になった本の目次を見て、一番気になる箇所をさらっと読みます。
良さそうだったら他の部分も読み、つまらなかったら次の本を探します。
自分が一番気になった箇所がイマイチだったら、本自体もイマイチの可能性が高いかな、と。

で、気になった本というのは、秋山利輝さんという木工職人さんの「丁稚のすすめ」。

秋山木工は、今では珍しい師弟制度で木工職人を育てる会社です。
入社すると男女全員丸坊主にされ、4年間の丁稚修行後、一人前の職人として4年間お礼奉公し、その後全員退社させられて自分の道へ進みます。
丁稚修行中は朝4時~5時起きで平均睡眠時間が2~3時間。毎日先輩職人の手伝いばかりで秋山さんからも怒られ続け、体力的にも精神的にも辛く、全員一度以上辞めたいと思うらしいです。
面白かったのは、毎日スケッチブックに日報を書くということ。これに先輩がコメントを書き込み、親や学校の先生からもコメントをもらう。このスケッチブックが辛い丁稚修行の支えとなり、職人としての成長速度を早めるらしいです。
最近は技能五輪でメダルを取る職人を毎年輩出しているらしい。

職人の育て方の本筋は、技術よりも人間性を磨くということ。"出来た職人"を育てたいらしいです。
「挨拶のできる職人から現場に行かせてもらえます。」など職人の心得28箇条というのを毎朝全員で復唱し、とにかくたたきこまれるらしい。

秋山さんの夢は、「職人を多く育てたい」、「職人の街を創りたい」ということらしく、どちらも共感しましたねぇ。
特に後者の職人の街というのは魅力的だと思う。
ちょっと今の日本は会社勤めが多すぎると思うので、魅力ある職人が増えるといいなぁ。

買ってから2日で読破しましたが、この本を読んで、野村監督の「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上」を思い出しました。
秋山木工の家具を買いたくなりましたねぇ。

職人ってのは技術ではなく心構えなんですね。
僕ももっと謙虚に自分磨きに励まないといけないなと思いました。
あと、毎日の日報をスケッチブックに書く、という点で、僕はこのブログをそういった目的でも使ってみようと思います。
あまり技術的なことは書いていないのですが、今後はもう少し書いていこうかな。

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