1章読んでは、内容を咀嚼するために読み返して、分かりやすく身近な事柄に例えて、、とかをやっていると全然進まないのです。。
ということで、345ページ中194ページ読んだところですが、最近起きている詐欺まがいな事柄と照らし合わせて考察してみたいと思います。
テーマは、「契約の道徳的限界」です。
まずは「これからの正義の話をしよう」の内容を簡単に抜粋。
最初の話。
とある高齢な夫人の家のトイレが水漏れするようになり、業者に修理を依頼しました。
業者が見積もった修理代はなんと500万円。
普通の人ならこの破格な値段に異を唱え契約しないところですが、高齢な夫人は相場を知らなかったため、この金額を了承し、着手金250万円、修理完了後250万円支払う契約にサインしました。
この悪徳業者の悪巧みがばれたのは、この高齢な夫人が銀行で250万円をおろそうとした時に、銀行員に理由を尋ねられたこと。
事件が明るみになり、この契約は無効となりました。
次の話。
とある男性が自分の不動産を友人に貸しました。
借りた女性はこの家は修繕が必要だと思い、男性に相談せずに業者に修理を依頼し、修理にかかった費用を男性に請求しました。
金額は相場から外れたものではなく、妥当な金額だったそうです。
男性は事前に相談がなかったため、この請求を拒みました。
この件は裁判沙汰となり、裁判所はこの男性に支払いを命じました。
理由は、同意が無くても利益を得たのだから、その分を報いる義務がある、というもの。
さて、これはアメリカのとある州の話ですが、この判例の後、この州では、信号待ちをしている車のフロントガラスを"同意なしに"清掃し、料金を請求する「スクイジーマン」が大量に発生し、社会問題となりました。
この二つの事例は、契約には「同意」と「利益」とどちらが必要とされるのかという話です。
同意があればどんな不平等な契約も成立しうるのか、利益が得られれば同意がなくても契約は成立するのか、と。
さて、この件をふまえて、最近日本で起こった「スーダンポンド詐欺」について考えてみたいと思います。
ある日、A社という会社から、「スーダンポンドの予約に関するダイレクトメールが届いていませんか?」と電話が来ました。
もしダイレクトメールが届いていたら、そのダイレクトメールを10万円で買わせてもらえないか?というもの。
家の主人は、「ダイレクトメールは来ていない」と答え、電話を切りました。
その翌日、身に覚えの無いダイレクトメールが届きました。
内容はどこにでもありそうな、怪しい金融商品の販売。
金融商品はスーダンポンドで、内容は、「スーダンポンドは現状は自由に売買できません。ですが、内戦が落ち着けば、値上がりが予想されます。このダイレクトメールが届いた方限定で、特別に2000ポンドを100万円で購入できます。予約しますか?」というもの。
届いた家の主人はインターネットなどの情報に接する機会が無かったので相場は分からず、どうしたもんかと思っていました。
そこに、今度はB社という会社から、「スーダンポンドの購入権利を持っている人を捜しているのだが、そのようなダイレクトメールが届いていませんか?もし届いていたらその権利を買いたいので教えてほしい。」という電話がかかってきました。
この家の主人は、これは自分にだけ与えられた儲かるチャンスだと思い、スーダンポンドの予約に100万円振り込みました。
後日、スーダンポンド2000ポンドが届きました。
その後知ったのですが、スーダンポンド2000ポンドは1万円の価値もなかったそうです。
この件をテレビで観た時に、直感的に、「これって裁くの難しいだろうなぁ」と思いました。
トイレの修理なら明らかに相場がありますが、金融商品になった場合、かなり主観が入ってきます。
もう一例出してみましょう。
とある会社の社長が、別会社を当時としては破格の高値で買収しました。
この社長はその数年後別件で逮捕されてしまうのですが、その際にこの買収について、利益供与ではないかと疑われます。
不当に高い値段で買ったのではないか、と。
何をいくらで買おうと自由のはず。
現に、この社長は買収した会社を経営再建して立て直し、買ったときよりもさらに高い値段で別会社に転売しています。
先の事例からも分かるように不当に相場から外れた値段で売買が行われると違法性を問われます。
しかし、相場自体が主観的な会社の売買などの場合、どうなるんだろう。
株価もそうですが、その会社の価値をいくらと考えるかは、かなり主観的な話になってきます。
哲学なんて、今まで勉強したことなかったのですが、こんな感じのことを考える学問なんですねぇ。
まだまだ後半を読み進めないといけないんだけど、現時点で考えたことをつらつらと書いてみました。
僕も専門ではないので、あまり深い突っ込みはナシということで。(笑)
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