2013/07/12

製糸工場、養蚕農家、旧富岡製糸場を見学してきました

群馬県にある取引先の会社の方のお誘いで、その会社の展示会に仕入れに行きつつ、製糸工場、養蚕農家、旧富岡製糸場を見学してきました。

この仕事をして5年目になりますが、まだ製糸工場や養蚕農家を生で見たことがなかったので、これは良い経験になるだろうということで。

お昼前に高崎に着くために、朝から湘南新宿ラインに揺られ、3時間ちょっと。
一本で行けるようになって便利になりましたけど、やっぱり時間かかりますねぇ。
まぁ読まずに取っておいた漫画週刊誌と読みかけの本を持って、準備万端で向かう。
結構眠くならずに全部読破できた〜。

ということで、無事高崎に到着。
駅にミスト噴霧器があって、さすが群馬!という感じ。

駅まで迎えに来てもらって、車で碓氷製糸さんへ。
挨拶もほどほどにさっそく、工場内を見学させていただく。

工場内は蒸し暑く広い。




↓まずは繭を乾燥させる機械。


10kgの繭を乾燥させると4kg程度になるとのこと。
その4kgの繭を糸にすると2kg程度になるそうです。
反物1反に約1kgの糸を使うため、2反とれます。
ということで、10kgの繭から2反の反物になるということですね。



乾燥させた繭が流れていって、



検品へ。
ここで不純物の混ざった繭などを取り除きます。
取り除かれた繭は、それだけを集めて糸にするそうです。
もったいないですからねぇ。











繭から糸を引く機械の説明を受ける。
糸の太さをデニールという単位で表すのですが、9000mで1gになる太さを1デニールと呼びます。細い!
21デニールや27デニールくらいが多いそうですね。

繭から引かれた糸は、約0.02mmの穴が開いた皿を通ります。
この時にコブになっていたりすると穴に引っかかって止まるので、作業者が糸を直してまた巻き取り始めます。

また、繭が少なくなってくると糸が細くなっていきます。
基準内よりも細くなると、今度は巻き上げた糸が通る道に設置されている引っかかりを持ち上げられなくなります。
そうすると、レバーが自動で動き、黄色いケース(上の写真の23,24と番号が書いてある箱)の中の繭を一つ押し出します。

うーん、すごい仕組みだ。



と、この機械を作っていたのはなんと日産自動車でした。
そうなんだー、へー、へー。







束ねられた糸は湿らせた木綿を間に挟んで1日寝かされます。



1束5kgが6束で一箱。
現状の生産量は1日60kgだそうで。




大きいのが2匹の蚕が一緒になってしまった玉繭。
右下の小さいのが皇居で飼われている小石丸。
左の黄色は群馬黄金、白が群馬200ですね。



碓氷製糸さんの前で記念撮影。


つづいて、養蚕農家へ。
お蚕さんに桑をあげているところでした。






この農家で9万匹のお蚕さんを育てているそうです。





バリバリと桑を食べるお蚕さんたち。
お蚕さんは5才になるとこういった農家に出荷され、そこで2週間ほどひたすら桑を食べ続けます。
そして、1週間〜10日ほどで繭になるわけですね。



繭を作るのは↑のようなケース。
一つの部屋に一匹の蚕が入って繭になります。
たまに2匹入ってしまうと玉繭になるわけですね。

最盛期は群馬県内に8万件ほどあった養蚕農家も今では200ほどに減ってしまったそうです。
うーむ。。

その後、旧富岡製糸場へ。
とにかく暑い。ジリジリする。。



製糸の仕組みは碓氷製糸さんで学んだ通りなので、写真だけババッと。

































元々製糸の技術をフランスから学んだそうで、フランス人の住居などがレンガ造りでできていたようです。
この施設内に住み、仕事をする日々だったようです。

建物の雰囲気は学校さながらという感じかな。


その後、取引先の会社に行って仕入れを済ませて帰ってきました。

いい勉強させてもらいました。
お世話になった皆様、ありがとうございました!


2 件のコメント:

  1. 詳細なレポートが素晴らしい!
    じっくり読んじゃったじゃあないですか。

    そして日産自動車に驚き~

    今、中国の絹が高騰してるんですってね
    日本製が巻き返すチャンスじゃないかって
    思うんですが、そんなに甘くないのかな

    命をもらって繊維として頂いてるんだって
    再再々認識しました。
    絹製品LOVEなんて気楽に言う前に
    かいこさんにありがとうって。

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  2. >ちっくさん
    ありがとうございます!
    いやぁ、ホント勉強になりましたよ。
    なかなか製糸は大変だそうです。
    一口にきものと言ってもたくさんの人たちが関わっているんですよねぇ、と再認識しました。

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