2014/05/19

大前研一 日本の論点の感想を

久しぶりに本の感想を書こうかな、と。
Kindleで大前研一さんの新書「日本の論点」を読みました。

元々大前研一さんの本は好きで過去の本も読んでますけど、今回の本もかなり良かった。
日本の今後を考える上で重要と思われる(大前さん的にだけど)テーマを一つずつ解説し、どうすべきかの方針を示してくれる。
とはいえ、議題を振って若い世代が考えてほしいというスタンスを維持しているのも良いと思う。

身近な例で言えば、スギ花粉の話。
僕は花粉症なので、昔から杉の木を伐採してほしいと思っているのですが、現実的にはなかなか難しいとあきらめていました。
ですが、大前さん的には、「未だに杉の木の植樹に補助金を出している。年老いた杉の木を切ることに補助金を出せば花粉症の人がその政治家に投票するはずだ。3000万票の票田なのだ。」という意見をサラッと言います。
これは多分多くの花粉症を持っている人が同意するでしょう。

この本ではなく「敗戦記」の話になっちゃいますが、大前さんが都知事に立候補したときの選挙活動とその時の政策集は本当に素晴らしくて、なんであの時青島幸男氏じゃなくて大前研一を選ばなかったんだと思ってしまうのですが、本当に現実的な政策ばかりです。
例えば都内の開かずの踏切対策のために、立体交差させます、と。
一つの踏切を立体交差させる費用がだいたい1億円(建設業者に結構値切って)なので、都内すべての開かずの踏切を任期中に立体交差にできます、とか。

他にも現実的な政策がたくさんあって、今改めて大前さんが政策を引っさげて立候補したら面白いかもなぁと思うのですが、絶対やらないそうで。
日本の政策シンクタンクでいる方が良いという意見らしく、ブレイン・ジャパンを目指しているらしいので、日本の政治家が大前さんの意見の中で同意できる点だけでも取り入れて政策を考えてくれたら少しは日本の未来に希望が持てるかもなぁと思うわけです。

んで、本の感想を。
今の日本の問題点と大前さんからの解決策が提示されている良書。
難しい内容に感じるかもしれないが、文章が良いせいかすらすら読めます。
この一冊を読むだけで、今の日本についてかなり深く考察できると思う。
あぁ、日本人全員がこの本を読んで、みなそれぞれの意見を言い合って深めていけたら日本はどんどん良くなって行くだろうになぁ。

これから日本人がどうやって飯を食うか?
昔は安泰と言われていた大企業も先が見えなくなっている時代に、どう渡り歩いていくか、そういった自分に決して無関係とは言えないテーマを自分軸で考えさせられる名著だと思います。
読まなきゃ良かった!とは絶対思わない良書だと思うので、特に若い世代に読んで欲しいですね。
ちなみに、電車でiPhoneのKindleで読んでいたら、隣で立っていたスーツのおっちゃんがずーっと読んでいました。笑
途中から僕も見やすいように画面をおっちゃんの方に向けてましたけどね。


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