2019/05/30

今月の一冊 〜天才を殺す凡人〜

毎月1冊は本を紹介しようということで、今月の一冊は、北野唯我さんの「天才を殺す凡人」です。



ストーリー形式なのでとても読みやすいです。
物語は仕事でつまずいている主人公がハチ公に愚痴をこぼしたところ、次の日ハチ公が自分の家にやってきてビジネスのアドバイスをしていく、という、夢をかなえるゾウのパクリだろ!と思わせる構成です。笑

要点は、こんな感じ。
・世の中には、天才、秀才、凡人の3パターンがいる
 天才:独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人
 秀才:論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人
 凡人:感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人

・天才は物理法則を、秀才は法律を、凡人は好き嫌いを、判断の軸にする。

・本来、天才と凡人に優劣の差はない(タイプが違うだけ)が、問題なのは人数比である。天才>>>>>>>>>>凡人。なので、物事を多数決で決めると、必ず天才が負ける。これが凡人が天才を殺す仕組み。

ストーリーが進みながら主人公が少しずつ成長していく姿を読むのは勉強になるし、とてもおもしろいです。
そして、実世界でも使える考え方が盛りだくさんです。

僕がすごく役立ったというか、今でも実践しているのは、アートとサイエンスを戦わせてはいけない、必ずサイエンスが勝ってしまう。や、「あなたならどうしますか?」という質問の仕方だ。

僕は確実に秀才タイプ(もしくは、秀才と凡人の間)だと思うのですが、ちょっと天才肌のうちの親父とバトルになることが多いのです。笑
そして、純粋に戦うと僕が勝ってしまうわけです。
(数字的、論理的な根拠を出してしまうので。)

ただ、議論に勝つことが良いのか?というとそうでもなくて、お互いの良いところをミックスさせないと良いお店にならないよな、というわけですね。
ついつい勝つことが目的になってしまいがちなのですが、戦ったら必ず勝ってしまう、という戦はやってはいけない、というのはとても良い考えだな、と。

他にも日々の仕事や人間関係で使える考え方が本当にたくさん詰まっている良書です。
絶対読んだほうが良いと思います。





最後に赤線を引いたところを箇条書きで。
・学歴が良くて仕事のできる人間ほど、よーく勘違いする。強みで愛されるってな、だどもな、真実はむしろ逆や。弱みがあるからこそ人は愛されるんだべ。
・創造性は”間接的”には観測することができる。それが凡人の「反発の量」である。
・芸術と、科学と、モノづくり、この三つが重なって初めて「強い経営」はできる。
・経営においてアートとサイエンスは両方大事や。だども、この二つをぶつけたらあかん。なんでかというと、必ずサイエンスが勝ってしまうからや。
・凡人が「最強の実行者」を巻き込む方法がある。それはな、キラークエスチョン、「あなたならどうしますか?」と聞くことや。
・もっと重要な問いである、「その目的を達成するために、アートが果たすべき領域と、サイエンスが果たす領域はどこなのか?」の仕訳なんや。
・才能を信じ、活かすことの最大のメリットは、過去最高の自分に出会うこと



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