洗い張りの仕上げ方はヒラものかシボものかによって大きく2つに分かれます。
紬などのヒラものは伸子張りをして、布のりを引いて仕上げます。
ちりめんなどのシボものは洗った後に布のりを引き、湯のしという作業で仕上げます。
湯のしは昔は手湯のしといって、湯のし釜を使って3人で作業をしていたのですが、今はテンタという機械を使うことが一般的になってきました。
↓テンタを使っている様子。
なぜヒラものとシボもので仕上げ方が違うかというと、下の写真を見てもらうと分かるのですが、シボものは伸子を張った部分と張っていない部分で幅に違いが出ます。
↓布のりを引くときに伸子を飛び飛びに張るので、伸子を張ったところだけ幅が伸びていますね。
どんなに伸子を細かく張っても、シボものは伸子を張ったところと張っていないところで幅に差が出てしまいます。
そのため、テンタという機械を用いるわけです。
↓蒸気をあてながら生地を左右から引っ張ることで均等に幅が伸びます。
↓写真の手前を見ると幅が均等に出ていることが見て取れると思います。
この後、綺麗にたたんで綴じて洗い張り終了です。
シボものは以上のように湯のしで仕上げますが、紬や胴裏などのヒラものの場合、湯のしで仕上げると、小じわが消えず、綺麗に仕上がりません。
ヒラものは伸子張りをして、布のりを引いて、のりがゆっくり乾く間に小じわが消えて綺麗な仕上がりになるのです。
洗い張りについて、もっと詳しく知りたいという方は、だるまやホームページの洗い張りのページをご覧ください。
ということで、きものを洗うと言ってもいろいろと手順も違うし、手間もかかるので、昔ながらの仕事を続けて行くのはなかなか厳しいわけですね。
とはいえ、だるまやは今後も今の仕事を変えずに続けていくつもりです。
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