2011/02/11

家庭教師をしていた教え子との再会

僕は大学生の頃に、平塚に住んでいる、とある3兄弟の家庭教師をしていました。
教えはじめた当時、一番上の子が小学校6年生、真ん中の子が小学校2年生、一番下の子が幼稚園の年長だったと思います。
その後の約3年間、その3兄弟に勉強を教え、勉強以外でもそのご家族と仲良くさせていただき、泊まりでスキーに連れて行ってもらったこともありました。

僕が会社勤めで東京にいる間、だいぶご無沙汰してしまったのですが、平塚に帰ってきて落ち着いた頃合いを見てご挨拶に行こうと思っていて、今日ようやくきちんと挨拶してきました。

一番上の子が大学3年生、真ん中の子が高校2年生、一番下の子が中学校3年生でした。

一番上の子は進路に悩んでいて、大学院に行くか就職活動するかなど、話を聞きながらアドバイスをする。
本人もだいたいの進路は決めていたようですが、両親にきちんと話せずにいたようで、僕が間に入って話を整理して、親にお願いする部分はきちんと説明して納得してもらわないとだめだぞと話をしました。

そんな話の後に、一番下の子が来週高校受験の後期試験ということで、状況を聞いてみると、数学と英語は得意だそうなのですが、国語が苦手だということで。
国語のどの部分が苦手か聞いてみると、長文読解は得意なんだけど、いかんせん漢字や慣用句が苦手だそうで、過去問や模試を解いても、漢字8点中、1〜2点しか取れないそうでした。
これはちょっとマズいのですが、考えようによっては、今からでもぎりぎり間に合う部分です。
長文読解を今からの5日間で解けるようにすることはかなり厳しいですが、漢字の暗記だったら何とかなる!

ということで、勉強の仕方を教えてきました。

帰りの車を運転しながら、つくづく山本五十六の言葉を思い返しました。


やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ


このブログでも何度か紹介していますが、本当にこの言葉の意味は深いなぁと再認識させられました。

まず、「やってみせ」の部分。
漢字の暗記だったので、僕が最も良いと思う暗記の方法を実際にやってみせました。

次の、「言って聞かせて」の部分。
ここが今日のテーマなのですが、言って聞かせる方法で「こんなのもできないんじゃ受からないぞ!」という言い方をしないことが大事だなと思ったのです。

僕が言ったことは、「漢字でさ、8点満点中、7、8点取れたら、かなり合格率上がると思わない?」という感じ。
今できないことができるようになったらどんなことが起こるかを想像させて、やる気にさせるという方法。
本人もそう言われて、「あ〜、確かにそれくらい取れたらだいぶ楽になるなぁ」とその気になってくれました。

言って聞かせる方法って2種類あると思っていて、一つは「できるようになったらこんなに良いことが起こるぞ」という成功報酬型、もう一つは「これができないとこんなに悪いことが起こるぞ」という失敗回避型。

どちらの言い方が良いかは相手の性格によると思うのですが、むやみに叱るというのは良くないと思います。

で、「させてみせ」の部分。
その気になった相手に、今すぐやらせる。
もう10時過ぎていてだいぶ長居してしまっていたのですが、その子のためにもその場でやりはじめました。
その子も「え?今やるんですか?」という感じでしたけど、実際にやらせてみせ、やりながら「もっとこうした方がいいよ」とか、「どうしたらもっと良くなると思う?」という感じで本人に考えさせながら実践させました。

勉強するときって、「勉強する自分」と「勉強する自分をコントロールする自分」を行ったり来たりすることが大事だと思っています。
心理学では認知とメタ認知の往復とか言うらしいですけど、決まった方針で集中して頑張る時と、ちょっと息を抜いて、もっと良い方法はないかなと考える時があった方が良いと思うのです。

最後に「ほめてやる」の部分。
その子がやっている所を見て、僕は本当に「あ、この子はセンスあるな」と思いました。
漢字を覚えさせるという単純作業なのですが、ちょっと見ればどの程度身に付くかは何となく勘で分かります。
良いと思ったところは素直にほめる。

そして、その子に、「今日残り1時間くらい勉強したら、布団の中で、頑張った成果を眺めて、自分をほめてから寝なよ」と言っておきました。
頑張った自分を自分で褒める癖を今からつけておくと、今後の高校生活でも勉強頑張れると思うのです。


漢字が足を引っ張るから数学と英語で何とか挽回するという消極的なことではなく、漢字も今このタイミングで身につけさせることで、高校に行った後もだいぶ楽になると思うし、何より合格できるかどうかの瀬戸際では、一点でも落とさないことが大切です。

苦手なことを避けて通るのではなく、できないことをできるように努力する子になってほしい。
適切な時期に適切な努力を逃げずにできる人が、目標を達成できるのだと思っています。

頑張れ!!


しかし、、僕が教えていた頃はこんなに小さかった子が、今は僕の身長を遥かに超えて大きくなっていて感慨深かったです。
とにかく、ご両親もその子たちも元気に過ごしていてくれて、本当に良かった。
これからは家も近いので頻繁に会えますし、そのうち一番上の子とお父さんと酒でも飲みに行けたら良いなぁと思います。

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