2018/02/06

僕らの4日間戦争 その3

さらにつづき、である。



2月1日(木)
この日は夕方から雪になるかもしれないという天気予報だった。
朝起きて、とりあえず仕事をこなしていく。
9時半頃、京都に電話。状況を聞くと、染め職人に聞いて連絡するとのこと。
昼頃に連絡が来ると言っていた。


ここで少し説明が必要だと思うので注釈しておくと、京都の職人さんたちは非常に分業化されていて、各工程を別の職人がこなします。
例えば、洗い張りで言うと、洗う職人、伸子張りする職人、湯のしをする職人、というように作業工程ごとに分かれているのです。
で、その職人たちとつながりを持ち、反物を抱えて職人間を走り回る人がいます。
それを悉皆屋さんと呼びます。

僕のカウンターにいる人は、かれこれ50年?くらいの付き合いになる、京都の悉皆屋さんです。その先に染め職人さんたちがいます。

これから登場する人物は、悉皆屋さん、染め職人さん、引染め職人さん、蒸し屋さん、です。
わかりづらっ!笑


12時過ぎだったか。
悉皆屋さんから電話がかかってきて、「今はっきりしたのですが、どう頑張っても2月3日の昼ですわ。これ以上はどうやっても早くできません。」という話だった。

今どういう工程をやっているのか、今後の工程に何があるのかを聞く。
「今糊置きが終わって、引染めをしているところで、それが明日上がってくる予定。明日蒸して、その後水洗乾燥して、湯のしをして仕上がるのが最短で3日の昼です。」
とのことだった。
「どうですやろ、上がった瞬間に新幹線で届けますから、わざわざ京都に来ていただかなくても。」と言われたが、こっちは聞いちゃいない。

ここで僕は考えた。
「待てよ、引染めが今日終わって、明日蒸してくれるなら、蒸しあがりの段階で持って帰ってくることができるんじゃないか?乾燥に時間がかかるのだとしたら、糊落としの段階で持って帰ってくるとかは無理か?他に何とかなる方法はないのか??」

とりあえず今から染め職人のところに行って、なんとか説得を試みてくれと伝えた。

13時半。
電話が来ないので、こちらから電話をしてみると、電話越しで二人の言い合いが聞こえた。
どうやら悉皆屋さんと、染め職人さんとで揉めているらしかった。
で、染め職人さんと直接話してくれと電話先の相手が変わった。

染め職人「あのねぇ、いくら急げ急げと言ったって無理なものは無理なのよ。全部段取りというのがあって、こっちだってなるべく早くやっているんだから、これ以上早くならないのよ。」

僕「そうだとしても、なんとかしないといけないのです。ちなみに、今はどういう工程ですか?」

染め職人「今は糊置きが終わって、引染めをしている最中。明日上がってくる予定だから、そのまま蒸し屋に持っていって、その後水洗乾燥する。土曜日は工場が休みになるから、月曜日に湯のしをして、安全を見て6日引き渡しだと言っているの。」

僕「例えば乾燥に時間がかかるとかだったら、糊落としが終わって持って帰ってくることはできませんか?」

染め職人「アホみたいなこと言うな!そんなんしたらめちゃめちゃになるわ。じゃぁ何、蒸し屋さんの電話番号教えるから、おたく自分で頼んでみる?どうせできひんやろ?あ、お客さん来てもうた。ちょっとあとで。」

といって電話が切れてしまった。


これは直接あって話すしかない。
僕はだるまやを飛び出し、京都へ向かった。



つづく・・・




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