2018/02/07

僕らの4日間戦争 その4

続きの続きの続きである。
(このペースだと、その○がいくつになるのか分からない。。。汗)

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2月1日(木)15時
染め職人に直接あって、なんとか間に合わせる方法を探るために、僕は京都に向かう新幹線の中にいた。

とりあえず基本方針としては、2月2日(金)の最終新幹線までに平塚に戻ってくるしかない。それまでにどこまで進めてもらえるかの勝負だ、という感じだった。
相手の話が本当で、今日引染めが終わり、明日蒸しだとする。
蒸し→水洗→乾燥→のり入れ→湯のしで完成のはずだ。
この中で、うちで問題なくできる作業は、のり入れ以降だ。
乾燥は良いとしても水洗はできるかわからない。。
しかも、普通の水で糊が落ちるのかもわからない。特殊な洗剤でないと落ちない、とかだったら、その洗剤をもらうしかないかもしれない、などと考えていた。

とすると、今日染め屋さんからほしい情報は、以下3点だ。
1. 本当に引染めが今日終わるか
2. 蒸し、水洗、乾燥の各作業に何時間程度かかるか
3. 糊を落とすには、普通の水で良いのか?

新幹線の中で、今月末に迫っている「きものと帯展」のためのホームページ更新作業をこなし、新横浜から2時間ほどで京都に着いた。

京都に着くと、電話で伝えておいた悉皆屋さんが車で迎えに来てくれていた。
挨拶も早々に車に乗り込み、すぐに染め職人さんの元へ連れて行ってもらった。

到着するなり、すごい剣幕だった。

染め職人「だから、京都まで来てもらったって無理なものは無理なの。頼めば早くなるとかそういう問題じゃないんだから。しかもあんた、糊落としした状態で持って帰れるかとか言ってたな。そんなアホみたいなことできるか。」

僕「でも諦めるわけにはいかないんです。ちなみに、今どういう工程なんですか?」

染め職人「うちで昨日までに糊置きをやって、今日引染めの職人が染めているところ。明日の朝一番で取りに行って、そのまま蒸し屋に持っていこうと思っている。」

僕「そうですか。蒸しと水洗はだいたい何時間くらいかかるものなのですか?」

染め職人「何時間か?とかすぐ聞いてくるけど、タイマーで動いているわけじゃないんだから分からない。今回は地色が濃いから二度蒸ししないとあかんし、どれだけ時間かかるか分からない。」

僕「染めたあとは、水洗して乾燥ですよね?それも同じところでやるんですか?」

染め職人「そうや。その後のり引いて湯のしして仕上げを別のところでやって完成。」

僕「なんとかなる方法はないですかね。」

染め職人「だから無い。っていうか、逆に聞きたいんだけど、おたくら僕に何してほしいの?もう全力でやってるって何度も言うてますやん。これ以上何してほしいん?」

僕(うなだれながら)「じゃぁ、明日、僕を蒸し屋に一緒に連れて行ってください。僕からお願いしたいんです。」

染め職人「ほな、わかったわ。朝早いけどええんやな?」

僕「何時でも来ます。」

染め職人「それなら、明日7時半にここ来てや。」

僕「わかりました」


そういって染め職人さんの工場を出て、車で悉皆屋さんの家に向かった。

ちなみに、文章だけだとすごく怒っているように見えるが、話の途中で染め職人さんの工場の様子を見せてもらえたり、仕事内容の話をしたり、一瞬和むこともあった。

本当はこの職人さんもなんとかしたいと思ってくれているのだ、と僕は感じた。

ただ、守れない約束はできない、中途半端な仕事はしたくない、頼み込んだら納期を早められると思われたら困る、と思っていたのだと思う。

悉皆屋さんの家に向かう車の中で、僕の頭の中では、「明日の朝一で引染めを受け取る手はずだが、もし終わっていなかったらジエンドだな。」という不安がぐるぐる回っていた。
悉皆屋さんにその不安を伝えると、「それは多分大丈夫だと思う。あの職人さんもそこはぶれていなかったし。」という話だった。
悉皆屋さんの「大丈夫」は全く当てにならないが、染め職人さんの言葉は信用に足る。

その後、悉皆屋さんの家に着いて一呼吸して、食事に出かけた。

食事しながら、うちのじいちゃんやばあちゃんとの思い出話を聞きつつ、正直今回の件は頭に来たけど、今まで何十年もお世話になってきた人なんだよなぁと思い返していた。




またまた、つづく


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