2008/09/20

取り留めのない話

今日はホームページを見てだるまやを訪れてくれたお客様がいて、僕にとってはとってもいい日でした。

で、今日も仕事が終わってから親父と二人で飲みながらいろいろと話していました。
親父も僕も意見が多いほうなので、だいたいいつも二人で飲みながらいろんな話をすることが楽しみの一つだったりします。今日もいつもどおり政治や日本の将来の話から始まって、最後はだるまややきもの業界の今後を話して終わりました。

お互い大枠では考え方が合うので、方向性は一緒なのですが、議論として盛り上がるためにあえて違う方向から意見を言ってみたり、反論してみたりして、それで議論が深まるわけです。

で、最終的にはだるまややきものの話になるわけですが、親父としてはだるまやを僕がやる上で、やっぱり不安があるんですよね。
きものってこれからどうなるか分からないし、全盛期を知っている親父からしたらやっぱり今は着る人も少なくなっているわけで、僕がこれから食べていけるか不安になるのも無理は無いな、と。
僕自身、そういうことも考えた上でこの仕事を選んだわけで、もし将来うまくいかなくなったとしても、親父や時代のせいにする気はないですが、親父の気持ちもやっぱり分かるんですよね。

ただ、親父の時代と比べてどうしてもうらやましくなってしまうのは、僕には本気で今後の店やきもの業界のことを考えてくれるパートナーがいないということですね。
親父は双子なので、二人でいろいろな困難を乗り越えてきたわけですが、僕には一緒に話し合える仲間はやっぱりいないわけです。でも別にそれを親のせいにするつもりもないし、自分にとって言い訳にするつもりもないのですが、どうしてもうらやましいな、自分にはいないな、と思ってしまうのも事実なんですよね。親父たち双子はほんとバランスが取れていて、互いの違う部分も認め合っているわけで。今でも言い争いはしょっちゅうしてるんですが。

ただ、今後僕がだるまやの暖簾をしょって立つようになったときに、古いお客さんが来て「あなたのお父さんにお世話になったのよ」と言ってくれたとしたら、きっと僕のとなりには親父がいることになるんですよね。そのお客さんは僕の影に親父の姿を映してくれるのかもしれない。だから、実際にだるまやをやるのが僕一人になったとしても、そのとなりにはそれまで暖簾を守ってくれた親父やじいちゃんがいて、何十年後になってもお客さんの心の中に親父が存在するのであれば、きっと僕は一人じゃないし、今までの先代たちが一緒に店を支えていくことになるんですよね。
そういう意味ではかけがえのないパートナーがいつでもいてくれるわけで、僕はかなり恵まれているわけです。じいちゃんやひいじいちゃんも一人で店を守ってくれたわけですし。

そういうことを考えながら、でもやっぱり僕の性格上、誰かと議論をしながら自分の考えを深めたり、是正したりするタイプなので、一人でも多くの人と立場は違えどきものやだるまやについていろいろな話ができるようになったらいいなと思う今日この頃なのでした。

うーん、、、、このブログのタイトルは「取り留めのない話」にしよっと。。



4 件のコメント:

  1. 「きっと僕は一人じゃない」
    「先代たちが一緒に店を支えていくことになる」

    うーん、感動しました。
    そういう考えで進んでいけば、
    どんなときにも力が湧いて乗り越えていけますね。

    うちの亡き父は6人兄弟の長男でした。
    支え合えるからいいかと思いきや、
    父は弟妹のことでうんと苦労しました。
    父は、弟妹から理解されたことはなく、
    喜びを分かち合ったこともない。

    生まれ育った環境に同士がいなくても、
    きっと巡り合えます。
    「求めよさらば与えられん」ですから。

    私は、十代の頃、
    「親友がほしい」とずっと思っていました。
    楽しく遊べる仲間はいても、親友はいなかったから。
    年月が経ち、ふと気づくと、
    高校時代にさほど仲よしでもなかった人と親友になっていたんです。
    時間はかかっても、きっといると信じて楽しみに待っていれば、
    ひょいと現れるものです、
    自分に必要な人というものは。

    あ、そうそう、
    父も兄弟縁は悪かったけど、
    大切な親友を持っていました。
    母が亡くなってから数年生きた父ですが、
    親友が亡くなっるとその数日後に亡くなりました。

    6代目さんも楽しみに待っていてください。

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  2. >ぱちょりんさん
    コメントありがとうございます。
    昨日親父と話した勢いでブログを書きましたが、朝になってやっぱり恥ずかしいから削除しようかな~と思っていたのでした。
    あんまりこういう話は書かないようにしてるんです。恥ずかしいので。。

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  3. > 今までの先代たちが一緒に店を支えていくことになるんですよね。

    そうですね。素敵な考え方ですよね。
    そう言う意味では6代目さんは、先代の
    方たちの意思や、心意気、信念を
    繋いでくれる大切な仲間なんですよね。

    私も話好きの(既にご存知ですね)、
    議論好きですので、6代目さんが羨ましいです。

    > 誰かと議論をしながら自分の考えを深めたり、是正したりするタイプなので、一人でも多くの人と立場は違えどきものやだるまやについていろいろな話ができるようになったらいいなと思う今日この頃なのでした。

    宜しかったら素人の唯の話好きオバチャンですが、
    私でよかったら議論相手に使ってやって下さい。
    だるまやさんのファンですから。
    だるまやさんはいつまでも残っていて欲しいお店ですしね。

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  4. >annさん
    ありがとうございます。
    口で言うのは簡単なんですが、やっぱり暖簾の重さというのはありますね。
    でも、今日も親父とそういう話をしていて、また新たに思うところもあったので、そのうちブログに書こうと思います。
    今度来店していただいた際にいろいろと話しましょう。

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