先日お客様が紬の疋物をお持ちになりました。
長い間箪笥にしまっておいたら、カビだらけになってしまったそうで、紬全体に白いカビが出てしまっておりました。
本来であれば、洗い張りをして伸子で仕上げたいところなのですが、新しいものでハサミが入っていないため、20m以上ある紬を伸子で仕上げることはできません。
ということは湯のしで仕上げるしかないのですが、洗い張りをしてしまうと湯のしでは消えない小じわがたくさん出てしまうのです。
ということで、本湯通しをしてなるべく小じわを出さずにカビを落とし、湯のしで仕上げることにしました。
熱いお湯につけた紬を丁寧にたたんでいきます。
桶は紬の色が出て、真っ青になっていました。
これらの作業を何度も繰り返し、最後は水でゆすいで脱水して張り手にかけます。
裏の庭で天日で乾かします。
茶色く変色してしまったカビは落ちませんでしたが、それ以外はきれいになって、カチカチだった生地がふんわりと良い風合いになりました。
これならお客様に満足してもらえそうです。
良かった良かった。
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