2009/08/18

再来年の成人式の準備が始まっています。

振袖の写真が好評だったので、振袖の話をもう一つ。

1ヶ月ほど前から、再来年(平成23年)の成人式の準備で、お母様の振袖を娘さん用に仕立て直したいというお客様が数名いらっしゃっています。
高島屋さんや三越さんが、18歳の娘さんのいる家庭にもうダイレクトメールを送り始めているのでしょうか。

今二十歳前の娘さんをお持ちのお母様が成人式の頃は、きものが全盛期だったので、品物も良いものが多いようです。
昨年から今年にかけて、来年(平成22年)用の振袖を何枚か洗い張りをして仕立てましたが、古典柄で良い染めのものばかりでしたし。
今見てもぜんぜん色褪せない、本当に素晴らしい柄が多いんです。

ただ、今の娘さんは呉服屋さんのカタログや、洋服系の雑誌を見ているので、いわゆる今風な柄を好むことがあり、お母様の振袖は気に入らないという場合があるようです。
先日も、どうしてもお母さんの振袖は着たくない言われてしまったお母様が見えまして、その振袖が古典柄で素晴らしい振袖だったので、うちの親父が「私みたいな呉服屋のオヤジが勧めれば意外と着てくれますよ」と言ったところ、後日娘さんと一緒に来てくれまして、親父と僕で勧めたんです。
これは昔の染めで品物はすごくいいものなんだよ、と。
そうしたらそのお嬢さんも納得してくれて、結局その振袖を仕立て直して着ることになったんですね。

周りの人が着ている振袖やパンフレットに載っているようなものと違うと、最初は抵抗があるかもしれないのですが、良いものだよと言ってあげると自信を持って着られるみたいです。
きものの良さの一つは、お母さんから子どもへ、子どもから孫へと受け継げることだと思うので、うちみたいなお店はそれを伝えていかなければいけないな、と思ったひと時でした。

3 件のコメント:

  1. 「伝えることができる」というのが、
    着物のよさですよね。
    私も手持ち着物の多くが、母からのもの。
    大島紬の一枚は、更に母の前があって、
    すでに80年ものです。
    今のかたは「人と違う」と不安みたいですが
    みんな洋風の中で、ひとり古典柄がいたら
    そりゃ「いい方に目立つ」ですね。
    知人のお嬢さんは、来年成人式ですが、
    着物の反物は、七五三のころから、
    長く時間をかけて考えて探されて、
    今どき珍しい「緞子の無地」になりました。
    大きな鳳凰の地模様が豪華な振袖です。
    めだつでしょうねぇきっと。

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  2. >とんぼさん
    コメント早いですね。(笑)
    ありがとうございます。

    そうなんですよね。
    大島は特に長く着られますよね。
    昔から、「きものは3代」とか、「100年持つ」とか言われていますからねぇ。

    おっしゃるとおり、洋風な柄の中の古典柄は映えるんですよ。

    無地の振袖は確かに珍しいですねぇ。
    そういえば一つ前の記事のコメントでちっくさんも無地の振袖を着たとおっしゃっていましたが、昔は無地の振袖も多かったのでしょうか。

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  3. 無地振袖は、昔も今も、あんまり数は
    ないように思います。
    実際には、地を気をつけないと、
    さみしい印象になりますから
    地もようが華やかで大きいか、
    重めちりめんなどどっしりした
    印象のものでないと…。
    アクセントに刺繍で花紋をいれたりしますね
    実は無地モノは、あとあと嫁入りのときに
    「色無地」に作り変える場合が多いのです。
    振袖は、そのまま伝えるのも方法ですが、
    それほど回数着るものではありませんから、
    作り変えをすることも考えて
    作る場合があります。
    昔の黒振袖などは、袂の柄を下につけて
    後で留袖にするのが普通という時代も
    ありました。
    私は紫に御所車の振袖でしたが、
    肩や胸にほとんど柄がなかったので、
    袖はちょっと中途半端になりましたが
    「訪問着」にして、
    子供の七五三に着ましたよ。

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