久しぶりに本の感想を書こうと思いまして。
読んだ本はこちら
入社1年目に簿記3級を取った程度であまり財務の勉強ってしたことがなかったので、某ブログでおすすめされていたこちらを買ってみました。
その前にキンドルでもう一冊簡単なやつを読みましたが。
会計の本ってなんていうか、数字とにらめっこする話ばかりの本が多いイメージですが、この本は経営者視点が色濃く出ていて良かったです。
第5章の某A社の成長戦略の話がとても面白かった。
社名は伏せた状態で、財務諸表からどの会社か当ててみよう、と。
読みながら、「そんなんできるんかい!」と思ったのですが、ビジネススクールとかでこの問題を出すと、ある程度会計が分かる人なら10社上げればそのうちの1社に正解が入っている位の確率になるそうです。
うーむ。。
財務諸表から資産負債の比率や在庫回転率や労務費率などから業界を絞っていきます。
で、まぁ社名は後で明かされるのですが、その諸表の年度がちょうど社長が新しく変わり、それまでの無借金経営から借金しながら売上規模4倍の拡大均衡を狙っていく時期のもので、筆者の方も「この財務諸表を初めて見た時、「すさまじい迫力」というか、「オーラ」を感じた」と書かれていました。
オイルショック後の不況の中リスクを取って会社を成長させたこの社長のおかげで、今でもA社は日本のエクセレントカンパニーなのだ、と。
すげーなー。
他にもカルロス・ゴーンが打ち出した日産リバイバルプランについても触れています。
こちらもなかなか面白かったな。
会計の本ではあるけれど、どちらかというと経営戦略を会計的な視点で捉えるという本でした。
とあるスーパーの社長をMBA取得の息子に譲った途端、会社が傾くという話にあらわれているように、会計は便利だし経営に必要だけれど数字で管理するのはダメだというメッセージが随所に出ている点も特徴的だなぁ。
数字は誰が見ても一つに定まる分、冷酷な側面がある、と。
売上目標とか在庫回転率とか数字を使いたがる経営者は実は「戦略がない」のである、というのは良い言葉だったなぁ。
数字は経営が上手くいっているかウォッチするためのもので、部下に押し付けるものではない、と。
どうやってお客さんに喜んでもらうか、どうやって競合に勝つか、その作戦を考えることが経営者の役割なのだ、と。
会計ルールの変遷、日本と世界の会計ルールの違いなどにも最後に触れられています。
ちょっとこの辺のテクニカルな話は難しかったけど、まぁ要点は会社を評価する際になるべく誤解なく、粉飾しづらいルールにしていこうという話でしたね。
僕が大好きな本である「戦略プロフェッショナル」を思い出しました。
最近読んだ中では印象に残るような本でしたね。
会計っていうジャンルな上にハードカバーな本なので、読み始めるのにちょっと時間がかかりましたが、読み始めたら面白くてどんどん読めました。
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