2016/08/13

きもののお手入れについて改めて考えてみた その1

ちょっとしたきっかけと自分の中での疑問点が相まって、このタイミングできもののお手入れ、特に丸洗い・しみ抜きについて考えてみました。

やろうと決めてから1ヶ月あまりかかってしまいましたが、ようやくまとめられたので、まずは本ブログで詳細を記しつつ、ホームページの更新に進もうと思います。

■目的
・だるまやとしての丸洗い・しみ抜きについての考え方を整理すること
 (汗抜きの考え方、など)

・だるまやの仕事と料金が競争力を持っているかを再確認すること
 →コスパが悪いと判断した場合は料金や仕事内容の見直しを行う

・だるまやの仕事をお客様に必要十分に説明できているか再確認すること
 →ホームページの改良がゴール


■調査方法
・雑誌、ウェブ検索、クチコミなどから、調査対象とする呉服屋、悉皆屋、しみ抜き職人をリストアップし、電話とホームページ閲覧により仕事内容、価格を調査する


■まずその前に、言葉の説明を

「きものを洗う」というと、大きく分けて2つの方法があります。
1つ目は、きものを解かずに、そのまま洗うこと。これを丸洗い、しみ抜きなどと呼びます。
2つ目は、きものを解いて反物に戻して洗うこと。こちらは「洗い張り」と呼びます。

↓しみ抜き


↓洗い張り



丸洗いは、さらに2〜3つに分かれます。

・丸洗い、生き洗い、京洗い
 ・・・きもの全体を専用の洗濯機と揮発系の溶剤で洗うこと
・しみ抜き、部分洗い
 ・・・汚れている部分だけを専用の溶剤と丸刷毛などの道具で洗うこと
・汗抜き
 ・・・汗をかいた部分を水と専用の溶剤で洗うこと(後ほど詳しく考察を書きます)


ただ、今回の調査で他のお店のお手入れ内容を調べてみると、洗い張りという項目がないお店が結構あってビックリしました。
洗い張りという項目がないお店や、洗い張りの代わりに「本解き湯のし」という言葉を使っているお店が1軒や2軒ではなかったのです。

洗い張りというのは、

解き→端縫い→洗う→伸子張り→布のりを引く→湯のし

という工程を経ますが、
「本解き湯のし」というのは、どうやら、

解く→端縫い→湯のし

という工程で、

洗う→伸子張り→布のりを引く

という工程を省いた作業のようです。

汚れを落とすというよりは、筋を消すということのみをするようですね。
この作業の場合、筋が消えにくいきもの(例えば本場大島など)だと筋が消えません。

でもって、この本解き湯のしで1万円近くかかるお店があってしびれました。
まぁ「洗い張り」という言葉を使っていても、実際には本解き湯のしの作業しかしていないお店も多かったので、ある意味正直っちゃ正直かもしれませんね。。

ということで、今回は丸洗い・しみ抜きを中心に書きますが、金額や効果を洗い張りと比較することもありますので、事前に説明しておきました。


かなり長くなるので、ここらでいったん区切ります。
次回は他店のサービス内容と料金比較です。



2 件のコメント:

  1. 調査報告楽しみです~。私もちょっと調べてた事があります。2か所程お客様相談窓口(メール)で問い合わせをしたら結構詳しく見積もりをくれましたが、国内・海外、手縫い・ミシン縫い、胴裏、八掛、色々パターンがあってトータル金額が難しかったです。
    調査頑張って下さいね。

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  2. >ララさん
    コメントありがとうございます。
    今回は丸洗い・しみ抜きの調査がメインですが、合わせて洗い張りについても聞いたので、ご要望があればそちらも報告できます。
    が、まずは丸洗い・しみ抜きから行きます。

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