さて、前回の続きです。
前回を読んでいない方はこちらからどうぞ。
■他店の料金の調査結果
調査したお店の数:14店
調査方法:ホームページの価格、および、電話
基本的には小紋(袷)としたが、お店によって区別の仕方が異なるため、多少誤差あり
丸洗い:3300円、4,500円、5,940円、、、12,000円以上
しみ抜き:衿・袖口くらいだと3,000円程度が多い。5,000円、6,000円、10,800円、20,000円以上もあり。
汗抜き:2,000円、3,240円、3,456円、4,320円、5,400円、、、9,720円など
どうやら、きものを丸洗いして汗抜きやしみ抜きもすると、10,000円以上かかるのが相場のように感じました。
■仕事の質はどうか!?
こればっかりは依頼してみないと分からないですよね。。
全部のお店に仕事をお願いするのはちょっと難しいので、電話での対応での印象のみになりますが、丁寧に説明してくれるお店もあれば、電話に出られた方が仕事に詳しくなく、結果電話口の方が3人変わられたお店もありました。
うーん、でもやっぱり仕事の質を電話での応対だけで判断するのは無理かもしれないですね。
仕事の腕がとても良くても、ぶっきらぼうな職人気質の人もいるでしょうし。
なんとなく信頼できそうなお店かどうかを勘で判断するくらいしかできないかもしれないです。
■だるまやとしてのビジョン
さて、だるまやとして、丸洗い・しみ抜きの料金と仕事内容をどう考えるか。
いろいろと考えたのですが、最終的にはどんな世の中になってほしいか、つまり、だるまやとしてのビジョンに関わる問題なんですよね。
だるまやとしては、「愛着のあるきものを、気軽に楽しんでほしい」です。
きものを気軽に楽しむだけなら、化繊のきものや、レンタルでその場だけ楽しむでもいいんですよね。
訪日外国人や、観光の時にきものやゆかたを楽しむ場面を想定すると、そんな感じになるよな、と。
それよりも、例えばお母さんが着ていたきもの、だとか、すごく気に入ったきものを繰り返し着ていく時に、お手入れを安心して任せてもらえるお店にしたいです。
「しみ付けそうで怖いから着られない」、みたいなことをなくしていきたいな、と。
そう考えると、高価なきもののお手入れだけでなく、普段使いのきもののお手入れもそれほど高くない金額でお請けできるようにすべきだな、と。
やはり、「良い仕事をなるべく安く提供する」ことを目指すべきだなと再確認しました。
もちろん、手間の仕事を請けないというわけではありません。
お母さんが着た振袖で袖にひどいしみがあって、そのままじゃ着られないけどなんとかしてほしいと言われて、2万円かかったことがあります。
それはとても喜んでいただけました。
こういう仕事ももちろん請けていきます。
ベースとしての丸洗い・しみ抜きの値段と、これはお金をかけても出来る限りなんとかしたいというお手入れは分けた方が良いと思っています。
■汗抜きについて
また、「汗抜き」という言葉自体、僕がだるまやの仕事をするようになった9年前はあまり聞かなかったように思います。
9年前に最初のホームページを創った時に、他店の料金やサービス内容をいろいろと調べたのですが、その時は「汗抜き」という言葉は今ほど目に留まらなかったんですよねぇ。
見落としただけかもしれませんが。
個人的に、汗抜きってしみ抜きの中の一作業なんじゃないの!?と思っています。
しみや汚れの原因が、例えばドレッシングをこぼしたとか、雨の日に泥跳ねしたとか、暑い日に汗をかいたとか、いろいろあるよね、と。
その原因によってしみ抜きの溶剤や作業内容が多少変わるとはいえ、わざわざ汗抜きだけ取り出して料金表を作っているのは、単にお客さんへの説明のしやすさというか、仕事の請けやすさだけなのではと思いました。
まぁ他店がどうのと言っても仕方がないので、だるまやとしては、
「汗抜きとは、しみ抜きの作業の中の一つです。」
という考え方で行こうと思います。今まで通りです。
時間が経っていたり、ひどいしみを落とすのが大変なように、汗じみも広範囲に渡れば作業が大変だし、ちょっと汗かいた程度ならそれほど大変でもないよ、と。
ただ、汗じみって実は丸洗い・しみ抜きと相性悪いんですよ。
本当に汗を抜きたいなら洗い張りするのが一番です。
ということで、考え方としては基本的に今まで通りではありますが、他店のホームページと比較されるお客様の中には、「汗抜きの料金が書いていないですが、いくらですか!?」と問い合わせされる方も時々いらっしゃるので、この説明をホームページにも分かりやすく記載しようと思います。
■だるまやの料金、仕事内容
だるまやの料金は今のところは変わらず、丸洗いをして通常汚れる範囲内(共衿や袖口のしみ、それほどひどくない汗ジミ程度)であれば、
小紋:4,500円
無地、紬、附下:5,500円
振袖:6,500円
留袖:7,500円
(すべて感謝祭時の料金)
で、ひどいしみで出来る限りなんとかしたいという場合は別途見積もり、という、今まで通りで行こうと思いました。
仕事の質については、日々向上できるようにしています。
技術的にもそうですし、このしみを落とすと相当金額がかかるけど、そこまでかけるべきか、といった悩みをお客様と連絡し合いながら、お客さんにとって一番満足度が高いところを模索していくのも大切ですね。
同時に、お客様にも言われたことですが、洗い張りの情報量に比べて丸洗い・しみ抜きの情報量が少ないので、その点も改善していかなきゃなぁと思いました。
ということで、個人的にはこれで当初の目的は果たせてスッキリしました。
ホームページ更新しないとな〜と思っているのですが、もう一つ調査の途中で考えたことがあるので、次回はガード加工について考えたことを書こうと思います。
(うー、、、書こうか悩む。。。。。)
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