2009/10/20

さとなおさんの「明日の広告」を読んで考えたこと

僕は読書が大好きなので、常に数冊読んでいるのですが、あまりこのブログでは読んだ本を紹介しなくなってきました。
読書の感想って書くのに時間がかかるので、書きたいなぁと思ってもなかなか手がつけられなくて。

今日は久しぶりに、先日の軽井沢での結婚式の往き返りで読んだ、「明日の広告」を読んで考えたことを書いてみようと思います。



ちなみに著者は、僕も愛読しているブログwww.さとなお.comの"さとなお"こと、佐藤尚之さんです。

まずそもそもなぜこの本を買ったか。
一つは広告という、今わりと僕の中でマイブームなテーマについての本だったこと。
二つ目に著者が、愛読しているブログの著者だったこと。

僕は昔から個人にしろお店にしろ、"本来の実力" × "見せ方" だと思っています。
(最近はもう一つ要素があるなぁと思っていて、それについてはそのうち。)

大事なのはこの二つが足し算ではなく掛け算だということ。
すごくいい腕を持っていても、それが相手に伝わらなければお客さんは来てくれないし、見せ方がうまくても本来の実力が伴わなければ長続きしない、というわけです。
"広告"というのは見せ方の部分の重要なテーマであり、今後商売をやっていく上で勉強し続けなければならない分野だと思っているわけです。

で、印象に残ったことを列挙してみます。

①広告というのはラブレターである。相手を口説くには、相手のことを熟知しなければならない。(消費者本位の姿勢)

②昔は割りと簡単にラブレターを読んでくれたし、同意して買ってくれたが、今はモノや情報があふれているため、ラブレターを読んでくれない時代になった。(広告から見た時代の移り変わりについて)

③インターネットの登場により、消費者が横でつながり、広告で流している表向きの情報は信じてもらえなくなり、商品の真の姿が写し出されるようになった。(インターネットが与えた影響)

④先駆的な企業は、消費者を消費者と呼ばなくなってきた。ユーザーやパートナーと呼ぶ。(上述のような時代背景の中で、消費者との付き合い方)

⑤メディアに順位をつけるのではなく、それぞれの特性を理解して、商品の特性を考えてメディアを使っていくべきだ。(これをメディアニュートラルと呼ぶらしい。)

⑥広告マン(だけでなくおそらく商売をする人全般に言える)は、消費者よりも少し先を走っていなければならない。消費者がどういったものに触れ、どんなことを感じているかを肌で感じることが大切だ。

⑦今までメディアと思われていなかったものをメディアと捉える。例えばNIKEは公園のゴミ箱をメディアと捉え、ゴミ箱にバスケットのゴールを描くという広告を用いた。(これをメディアクリエイションと呼ぶらしい)

⑧先にメディアに胃に悪さをしているのはピロリ菌だ、という情報を流し、その後にピロリ菌にはこのヨーグルトという風に商品を販売する手法。(最近ネットでよく見る口臭のやつもこれっぽいな。)

⑨最終的には、いかに消費者本位に考えられるか?が重要だ。(消費者本位の姿勢の念押し)


読んでみた感想としては、とっても読みやすい内容でした。
既に知っていたり考えたことがある内容もありましたが、まとまって読むと理解が深まるし、途中に出てくる図も分かりやすかったです。

で、今後の自分の仕事や生活にどういった影響を与えていくか、ということですが。

④の消費者をパートナーと呼ぶ、については、もっともなことだなぁと思います。
だるまやは僕や親父だけのものではなく、利用してくれているお客さんのものでもあると思っているので、今後はそういったお客さんと僕らのつながりがもっと深まっていくようなことをネットを使ってやっていきたいなぁと思っています。

⑤のメディアニュートラルについて、これは割りと普段から思っていることでしたが、より考えを深めてもらえました。
僕はいずれ新聞広告の効果が薄くなっていき、その分をネットなどで補っていかなければならないと思っていますが、だからといって新聞<インターネットというわけではないんだな、と。
だるまやのような小さなお店ではあまり関係ないのかもしれませんが、それぞれのメディアをうまく利用していくことが大事なんだなぁと考えさせられましたね。

⑥の消費者よりも少し先を走っていなければならないについては、この本を読んでiPhoneを買う決意が固まりました。
iPhoneが直接だるまやに影響を与えることは少ないかもしれませんが、その影響を肌で感じていることが大事なんじゃないかなと思い、iPhoneを買う決意となったわけです。

⑦については、きものに関してのメディアとして、考えてみると、実はきものをしまう"たとう紙"もメディアと呼べるんじゃないかと思い当たりました。
きものを出し入れするたびに目につくたとう紙はデザインによっては十分メディアとなってくれるはずです。今のだるまやのたとう紙ではその役割は果たせていないので、近いうちにデザインを変えようと思っています。

⑨について、広告も商売の一環ですね。お客さんが何を望んでいるか、何を知りたいのかを毎日毎日考えていき、価値あるサービスや商品を創り、伝えることが商売です。

伝えるということから商売全体に切り込んだのがこの本だったような気がします。

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