「農家のこせがれネットワーク」で有名な宮治さんの本、「湘南の風に吹かれて豚を売る」を読みました。
買ったきっかけは、藤沢の本屋で人待ちをしている時の立ち読みで手に取ったことです。
元々この本のことは知っていましたが、買うまでは至っていませんでした。
たまたま本屋で見かけて立ち読みをして、読んでみようかな、と思って買ったわけです。
読む前まで、「農家なのに、なんで講演したり、バーベキューやったりする時間があるんだ?」という印象でしたが、この本を読んで納得しました。
宮治さんの目指しているものは農家ではなく、農業プロデューサーなんですね。
農業プロデューサーとは、農家が作ったもの今までのように農協経由で流通させるのではなく、生産・流通・マーケティング・営業・商品開発・レストランまですべてをプロデュースするという職業らしいです。(宮治さんが考えた構想)
農業はお父さんと弟さんに任せているらしいです。
僕もこれまで農業という職のことをいろいろと考えてきました。
僕自身、食いしん坊だから、ということもありますし、農業が「きもの業界」ととても密接な関係だからということもあります。
紬というきものは、農家の人が農業の合間に自分たちの着るものを自分で作った物だと聞いたことがありましたし、大島の泥染めなどは、田んぼの泥で糸を染めています。
(まぁ、どちらかというと、食いしん坊の理由のほうが大きいですが。)
僕も農業を考えていく中で、やはり流通を何とかしないとどうしようもないんじゃないのか?という想いがありました。
作った分をすべて農協に引きとってもらって、流通するという既存の枠組みでは、美味しさや安全さは無視され、流通しやすいものほど値が上がるのが当然で、それは今の時代とは合わないと思っていたからです。
会社の先輩のぉぉっゃさんが農業が好きだったこともあり、僕が会社を辞めたときに、「年間決まった金額を払うので、旬の野菜を送ってくれませんか?」と話したこともあります。
そんな頃に、宮治さんのことをテレビ番組で知って、農家のこせがれネットワークの発起人を集めていることを知り、僕もすぐに登録したことをブログで書きました。
そんな経緯もあって手に取った本。
読んでみた感想はというと、正直、ちょっと中だるみしたかなぁ。
僕は農業を改革するという点について読みたかったのですが、真ん中の半分くらいは、「社会起業家」ということについての説明が多かった。
とはいえ、前半の「会社を辞めて農業に戻るまでの過程」と、後半の「農家のこせがれネットワーク設立」に関する章は面白かったですね。
一番印象に残っているのは、宮治さんの友達に実家の豚肉を食べてもらっていたときに、美味しいと感動されて、「この豚どこに行ったら手に入るの?」と聞かれて、答えられなかったことが、農業プロデューサーをしようと思ったきっかけだということです。
お客さんの一言で大事なことに気付かされることは僕もありました。
だるまやのホームページをオープンした当時の僕の一番の目的は、「だるまやの仕事内容を知ってほしい」というものでした。
そのため、だるまやの仕事内容についての記事に一番時間を使い、商品の紹介は後回しにしたのです。
そんな中、だるまやのショーウィンドウに振袖を飾っていたある日、だるまやに来店してくれたお客様から、「あ、だるまやさんも振袖を扱っているんですか!?だったらだるまやさんで買ったのに!この前別の店で買っちゃいましたよ!」と言われたことがショックでした。
だるまやの一番の強みは「洗い張り」です。これは今までもこれからも変わりません。
ですが、商品についても自信はあります。
なぜなら、親父たちは、小さい頃から洗い張りや湯のしを手伝ってきて、たくさんの商品を見てきたからです。
平塚で湯のしをやっている職人がうちくらいだったこともあり、他店の湯のしも請けていました。
そのため、おそらく普通の呉服屋さんよりもたくさんの商品に触れる機会があり、その経験から、「お、これは良い柄だな」とか、「これはイマイチだな」というように、感性が磨かれてきたからです。
ホームページを創っていた頃の最後の方に気づいただるまやの強みが、「品物を観る目」でした。
このお客様がもしだるまやに振袖のことを相談してくれていたら、もしかしたらだるまやで買ってくれたかもしれません。
そのときに、「あ、だるまやのことをお客様が分かっていてくれるというのは驕りで、もっとちゃんと伝えていかないといけないんだな」と思ったのです。
その後、だいぶ時間がかかってしまいましたが、「着こなしのご提案」の構成を変え、全商品を紹介することはできなくても、せめてだるまやがどんな商品を扱っているかは知ってもらえる程度には改善できたと思っています。
(もちろん、まだまだ不十分ですし、もっと更新頻度も上げていかないといけないのですが。)
何が言いたいかというと、今までも書いてきましたが、お客さんの立場にたつこと、お客さんの話を聞くことがとっても大事だと思ったということですね。
商売のヒントは今僕の手の中にあります。あるはずです。
それをつかむためには、どれだけアンテナを高く持っていられるか、思ったことを実行に移せるかが大事なんだなということを再確認させられました。
そして、宮治さんがずっと続けている習慣である、ノートに夢を描く、という習慣については、僕も真似させてもらおうと思います。
そのノートの名前だけは考えました。
「夢をかなえるノート」
「夢をかなえるゾウ」とのコラボですね。
A4の罫線なしのノートを買ってきて、近いうちに書き始めようと思います。
ということで、農業について関心のある方は、読んでみると面白いかもしれません。
今後の農業の目指す方向性の一つがこの本の中にあると思います。
宮治さんのビジョンは、"きつい・汚い・かっこ悪い・くさい・稼げない・結婚できない6Kである一次産業"を、"かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にする"だそうです。
宮治さんの活動は本当にすごいですし、みやじ豚は一度ちゃんと食べてみたいですし、僕も負けていられないなぁと思いましたね。
せっかく近くに住んでいますし、みやじ豚のバーベキューに参加してみたい気持ちが強まりました。
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「夢をかなえるノート」いいですね。
返信削除私もノートはいつも、持ち歩いてます。
気が付いたことは何でもメモしたり。
自分の夢に向かって記録していくと、
確実に前に向かって進める気がします。
頑張って下さい、若旦那。
>和ごころさん
返信削除コメントありがとうございます。
まずは自分の夢、ビジョンを考えて行こうと思います。
いろいろとやってみたいこともあるので、忘れないようにノートに書きためて、似ているものを整理して実行に移していきます。