11月に池田清彦さんの著書を4冊買ったという話をしたのですが、その際に買った本のうちの一冊、「ほんとうの環境問題」の感想を。
環境問題全般を扱っていて、今流行の地球温暖化問題から、エネルギー問題、食料問題、少子高齢化問題など幅広く扱っていて、それぞれについて、一般に言われていることとは別の視点からの意見を投げかけています。
もともと生物学者である池田さんのモノの見方は結構面白くて、例えば食料を輸出する国と輸入する国がある場合、輸入する国はどんどん富栄養化し、輸出する国はどんどん貧栄養化するという話も出てきます。
炭酸ガスならどこで排出しても自然に拡散されますが、モノの場合、自然には拡散しないのです。
カラスは都市部では迷惑がられているけれども、自然界としてみれば海にたまった栄養素(リンなど)を森に戻してくれる役割を果たしている、と。
なるほど、地球の自然サイクルからモノを考えると、今までと違った考え方ができるなぁ。
他にも例えばバイオエネルギー(とうもろこしからバイオマスを作って発電するとか)を推進すると、地球規模で見れば貧しい国の人から食料を取り上げることになるけど、それっていいの?みたいな話もあります。
まぁ考えればすぐわかることですけど、確かに沢山とうもろこし作って燃やして発電するくらいなら、飢えに苦しんでいる人に安く売れよみたいな考えはあるわけで。
食料自給率についての見解もあるわけですが、食料自給率については、「日本は世界5位の農業大国」や、もっと重〜い本だと、「日本の食と農」に詳しいです。
さらっと言うと、日本の食料自給率が40%と言われているのはカロリーベースの話で、カロリーベースは家畜の飼料を掛け算するので、ほとんどの飼料を輸入している日本としては非常に低く出ます。
この農林水産省のホームページのカロリーベースの所を読んでみましょう。
---ここから引用---
(イ)カロリーで計算 食料自給率
食料の重さは、米、野菜、魚、、、どれをとっても重さが異なります。重さが異なる全ての食料を足し合わせ計算するために、その食料に含まれるカロリーを用いて計算した自給率の値を「カロリーベース総合食料自給率」といいます。
カロリーベース自給率の場合、畜産物には、それぞれの飼料自給率がかけられて計算されます。
日本のカロリーベース総合食料自給率は最新値(平成22年度概算値)で39%です。
---引用ここまで---
食料自給率が低いと言っておきながら、減反政策で田んぼを減らしているのが現状なわけですね。
食料自給率が低かろうと、いざ食料が必要になれば、ゴルフ場でも休耕地でも畑に変えて食料を作る余力は十分あると思うんですけど、どうなんでしょうかねぇ。
それより問題はエネルギーじゃないかなぁ、と。
今のところ日本はほとんどのエネルギーを輸入しているわけですからねぇ。
温室での促成栽培などエネルギーを使って農業の生産性を高めている面もあるので、化石燃料がなくなるとやばいっすよねぇ。
と、話がそれてしまった。
環境問題全般に触れていて勉強になりました。
こういった知識を集めて楽しさを感じるってのは人間の特権なんでしょうかね。
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