先週米沢に行き、産地の現状をいろいろと見させていただきました。
その研修もあって、あらためて「ものを売る」ということについて深く考えようと思ったわけです。
今日はそんな話を、CINZANOのソーダ割りを片手に徒然と考えてみようと思います。
が、自分でも考えながら書いているので、きっとまとまりのない文章になると思いますので、そこんとこよろしく!笑
先週の米沢研修2日目に行った白鷹御召の小松織物さん。
年間の生産量がとても少ないため、今はほぼ完全受注生産なわけです。
1反織るのに1人月くらいかかるわけですよ。なので、安くはないわけです。
それでも織る前から買い手がついているわけです。
じゃぁなぜ買い手がついているのか、と。
呉服屋で反物を見て、気に入って、買う、という流れではないわけですよね、きっと。
その前に染め方とか、織元の人柄とか、年間生産量の少なさとか、そういったストーリーを知った方が「これはすごい!欲しい」と思ったはずなのです。
すごい、じゃなくても、美しい、とかね。
今シャワーを浴びながら考えていたのですが、人に「欲しい」と思わせることこそ、メディアの仕事だったんだろうな、と。
例えば僕が高校生の時、MEN'S NONNOとかを見て、渋谷に行って洋服を買っていたわけです。
お店に行ってその場で買うことを「衝動買い」という言葉があるように、買うという行為には前情報があったわけです。
僕はそのことをストーリーという呼び方が好きなんですけどね。
例えば何も知らなかった織元さんの話を「美しいキモノ」で読み、織元さんのこだわりや想いに触れ、希少性を知ったり、コーディネートの参考を見たり。
そういった情報が積み重なって「いつか、欲しい!」という想いが醸成されるんだろうな、と。
普段財布に入っている金額で買えるものなら、衝動買いで問題ないと思うんですけど、何万円、何十万円というものを買うには、やはりストーリーが必要になってくる。
今まではきもの雑誌がそのストーリーの語り部(これをメディアと呼ぶんだろうな)を果たしてきたわけですが、卵が先か鶏が先か、きもの雑誌がその役割を果たせなくなってきたわけです。
ここで言う卵が先か、っていうのは、世の中の金回りが悪くなって、ものが売れないから広告を出せなくなったということか、メディアが力をなくしたせいでものが売れなくなったのか、どちらが先なのかという意味です。
じゃぁこれからのメディアは何なのか、と。
先週行って思いましたが、産地に行って直接織っている方々の想いを聞くというのは、やはり貴重なメディアだな、と。
今までも行われてきたことではありますが、やはり産地ツアーは強力なメディアだよなと思いましたね。
とはいえなかなか難しいので、小売店が産地の想いを代弁する、というのはアリかなと。
展示会の時などに産地の方を呼ぶという手も取れますしね。
つまり、僕が思うメディアというのは「動機づけ」なんですね。
僕が今でもやっているGoogleやYahooの検索連動広告は動機づけされた方に網を張っている作業なんですよ。
洗い張りとか、染め直しを知った方がWebでもっと知りたいと思った時に網を張っておく、と。
メディアの本質は、動機づけにあると思うんですね。
そもそも「洗い張り」ということを知ってもらう。
新田織物さんの紅花染めはこういう手間をかけて染めていると知ってもらい、「欲しい!」と思ってもらう。
もしくは、「きものを着てお出かけするとこんな楽しいよ」と思ってもらう。
IT革命前はメディアと販売は区切られていたわけです。
メディアは作り手と売り手の両方の情報を掲載し、消費者を行動に移させることに価値があった。
だから作り手も売り手も広告費を払ったわけです。
でもIT革命により、その境目がほぼなくなったわけですね。
作り手が直接売ることもできるし、売り手が作り手の情報を発信することでメディアとしての役割をより多く担うことができるようになった。
じゃぁこれから先、どういう売り方が勝ち残っていくか。
やはり小売店としてはメディアになっていかないといけないんだろうな。
僕は今まで自分でやっている「洗い張り」や「きものの再生全般」のメディアになってきましたが、「ものを売る」という意味でのメディアとしてはまだまだ弱かったのだと思います。
もっともっとメディアとして出来ることがあるよな〜と。
多分、これから先、ものを売るということを真剣に考えるのであれば、自分がどういったメディアになれるか、なるべきか、なりたいか、ということを考えないといけないのだと思う。
個人的にはそのことを深めていくための期間が今で、ここ数ヶ月いろんな人に会って、自分からも積極的に動いているのは、そういった未来をどこかで考えていたんだろうなぁと思うわけです。
まとまっているのだろうか。
とりあえず眠いので公開して寝よっと。
そのうち続きを考察したいと思いまする。。
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