最近きもの業界で「丸染め」という言葉を聞く機会が増えました。
僕も親父も丸染めのことを全然知らないのですが、どうやら"きものを解かずに目引き(色かけ)をする"ことのようです。
で、素朴な疑問が2点。
・裏地も染まっちゃうんじゃないの??
・寸法が狂うんじゃないの??
ということで、とあるお店に電話して聞いてみることにしました。
「あのぅ、丸染めについて教えてほしいんですけど、これって裏地も染まっちゃうんじゃないですか?」
「そうなんです。裏地も染まります。」
「あと、寸法が狂うっていうことはないんですか?」
「染め上がった後に幅出しをしますので、大丈夫です。」
とのこと。
うーむ。。
胴裏や八掛が染まっちゃってもいいのか・・・?
男物のきものの通しの裏みたいになるけど。
寸法にしたって、しぼの強い生地を染めたらそうとう縮んじゃうぞ?
幅出しするったって、限界があると思うんだけど、本当にできるのかいな。
その辺は熟練した職人が判断するんだろうけど。
そもそもこの丸染めという加工、けっこうなお値段がするわけです。
お店によって違うと思うんですけど、数万円するみたいですね。
どうも丸染めを勧める理由として、仕立てが不要だから加工代が安く済む、ということが多いようですが、だるまやで無地のきものを解いて染め直して紋を入れて仕立て直しても45,000円程度です。紋を入れなければ40,000円くらい。
わざわざ丸染めなんていう変に面倒なことをする必要がないと思うんだけど。
袷のきものの場合、縫い込んでいる部分は染まらないだろうから、寸法変えて仕立て直すときどうするんだろう?
例えばお母さんのきものを娘さんの寸法に仕立て直す時に裄を伸ばしたら、染まっていない部分が出てきちゃうんだけど、どうすんのかな。
もう一度丸染めするのか??
それとも、とりあえずその時だけ着られれば良しとするのか。
そもそもこの加工は誰をターゲットにしているんだ?
きものに詳しい人は「裏地が染まっちゃったら変なんじゃない?」と思うだろうし、きもの始めたばかりの人が、「仕立て直しが不要で安いなら助かるわ」と丸染めをしたとして、きものに詳しい人に、「あら、このきもの変じゃない?」と言われたら、そのお客さんはどう思うんだ?
それも踏まえて、「そのままだと着られないけど、染めて仕立て直すほどお金をかけるのはちょっと」、という場合なのだろうけど、それなら前述のように、丸染めをするのとうちで染め替えて仕立て直すのとでそれほど金額の差がないわけでして。
もしかしたら、僕や親父の考えが古いだけで、「今は胴裏や八掛が染まることもアリですよ~」とか、「寸法を変えて仕立て直すほど先のことなんて考えないですよ~」と言われたらそうなのかもしれないけど、これは反論せずにはいられない。
ネットでいろいろと調べても賞賛する意見ばかりなのも不自然で気持ちが悪い。
きもの業界として、今の現状の打開策がないから、新しい技術にあまり先を考えずに乗っかっているだけなんじゃないのか?
本当にお客さんやきものの今後のことを考えているのか?
心底考えてお客様のために良いと思ってやっていることなら否定しないけどさ。
僕としてはやっぱり賛成できない。
だから、僕の主張としては、他店の否定はしないけど、だるまやでは請けないし、お客さんにも勧めない、ということでしょうか。
確かにきもの離れの原因の一つに"お金がかかる"ということはあると思う。
でもきものの良さである、"長く着られること"、"受け継げること"と"安く済ませること"をトレードオフにしちゃだめだと思う。
他にやれることはいくらでもあるんだから。
そう、やれることは他にもっとたくさんあるだろ。
着物初心者の私は、「なんじゃそりゃ」と
返信削除ググって見ました。
結局「なんじゃそりゃ」の域は出ませんでした。
仕立てたまま色かけするの?
糸も絹じゃなきゃ上手く染まらないの?
じゃ、染まらなかった場合、
仕立て直さなきゃいけないじゃない。。。
胴裏の黄色いシミが目立たなくなる?
でも、シミはあるんでしょ?その場合、
そのままでもいいのかなぁ~?
多少縮みます。。。
縮んじゃうんだ。。。ってか、それを伸ばして
元のサイズに戻す技術って。。。
袷だったらどうするのだろう?
丸染めだと染め上がりの色があがって来るまで
解らない?
そんなチャレンジャーな。。。
いくつかのHPの写真をを見てみましたが、
濃い色に染めると、元の柄がしみの様に
ぼんやりと見える気がするのですが、
それで良いの?
そう言うものなの?
縮んだら幅出しするの?それは仕立て代はかからないの?
それも込み込み?
疑問だらけです。
安いって言うのが歌い文句のようですが、
安いのを追求するのなら、海外で作られた
安物の仕立て上がりの着物の方が安かったり
する気がします。
染め直す愛着があるのなら、もっと大事に
してあげようよ。。。
素人の私ですが、そう思ってしまうのは否めません。
自分サイズの着物じゃないと、結局仕立て直す
のですよね?ぶっちゃけ意味無いじゃん
(ぶっちゃけ過ぎました。反省)。
電車の中や街中でたまにお見かけする、
着物姿の女性のチラッと見える八掛の色に、
その色を合わせるんだ~、素敵だなと
稀に思う事が有るのですが(殆どの方は
無難な色を持ってきますよね)、それは
無しって事ですよね。
うーん。。。うーん。。。
悩みすぎて、私の脳味噌熱暴走してしまいました。
冬なのに。。。
これが、着物の普及の役に立つのでしょうか?
染め直して着ようと思うようになるのでしょうか?
私は、それなら「木綿の着物」や「ウール」の
普段着物がお手ごろ価格で手に入る方がいいなぁ。。。
(あくまで個人的な意見です)。
思い入れの有る着物は、仕立て直しも
ちゃんとしたいな。。。(これも、個人的な意見です)。
新しい技術が小慣れてくるまで、手を出さない
(PCのOSやソフトも様子見をして、良ければ
インストールします)私ですので、
一度、その「丸染め」とやらをした着物を
見てみたいものです(実機を触る感覚?)。
そして、何年か経ってその着物が経年で
どうなるのかも見てみたいです。
もっとも、私の場合、染め直すならついでに
自分のサイズに仕立て直したい着物が殆どなので、
まず、丸染めをする事は無いでしょうけれど。。。
すいません、気になったので、思いつくまま
語ってしまいました。
>annさん
返信削除あは。ヒートアップしてますね。
一点だけ、反物に色をかける技術(これを目引きといいます。)は結構前からあります。
だるまやでも請けているのですが、これはannさんも心配される通り、「染め上がってみないと分からない」部分があります。
なので、うちで請ける際にも、そのことをお客様に十分説明して、それでも納得していただいた場合に限って請けるようにしています。
染め上りを見てみて、良ければ仕立てましょう、ということが多いですね。
annさんのおっしゃるように、八掛の色って意外とみなさん見てますよね。
八掛や帯揚げ・帯締めなどの組み合わせを楽しむのもきものの醍醐味かもしれませんね。
すみません。熱くなってしまいましたね。
返信削除目引きされる場合には、「おそらくこんな色に
なりますよ」って事ですよね?
で、そのおそらくが微妙に違ったりするので、
染め上がってみないと分からないということで理解していいのですよね?
解いて色を掛ける場合には、イメージと違っている場合、
他のものに転用することは可能ですよね?
例えば、帯にするとか、物によっては襦袢にするとか。。。
丸染めにすると、染まらない部分が出てきたりして、
別のものに転用出来無い場合が有るような気がしたので。。。
本当に、丸染めというものをするメリットが
どこにあるのか、私には理解できなかったのです。
なんで?なんで?どうしてそうなっちゃうの?
という疑問で、頭が一杯になっちゃいました。
うーん、難しい。。。
>annさん
返信削除目引きの場合、色見本で選んでもらった色を反物全体にかけるので、地色の部分と柄の部分で染め上がりの色が変わってきます。
ですので、全体の雰囲気がどうなるかは染め上がってみないと分からないのです。
おっしゃるとおり、染め上り次第で、お襦袢や帯にすることもありますよ。
目引きをする前に、「染め上がり次第ではお襦袢や帯という手もあります」という説明もしますね。
ほんと、どうしてそうなるかな~という感じですよね。
あまり自分の業界を批判したくないんですけどね。。