2010/02/14

パンフレットに載せる広告を熟考

だるまやによくご来店いただくお客様から、服飾文化研究会が実施しているイベントの冊子に広告を載せないかという話をいただきました。

親父も「試しにやってみよう」という感じで、広告のデザインは僕が考えることに。

別件ですが、来月あたりに、湘南ベルマーレがJ1に復帰したので、商店会で盛りあげようという企画があり、その広告(こちらはテキストのみ)も今週考えたので、同じような話が続きましたね。

広告効果はまだ分からないですが、とてもいい経験をさせてもらったので、記録に残しておこうと思います。

↓こちらが服飾文化研究会の前回のイベントのパンフレット。


広告枠の大きさや、他店がどんな広告を載せているかチェック。

広告のデザインを創る上で、まず最初に考える事は、「この広告を見る人がどんな人か」ということ。
湘南ベルマーレの応援イベントなら、特にきもの好きカテゴリではないので、"平塚"というキーワードを入れる方が良さそうですが、服飾文化研究会のイベントにはきもの好きが集まる可能性が高いので、だるまやの強みである"洗い張り"など専門技術を押す方が良さそうです。

次に考えることは、「この広告を見てくれた人がどんな行動を起こすか」と、「だるまやとしてはどんな行動を取ってほしいか」ということでしょうか。

↓さらさらっと書いたメモ書き


この時点で、載せるべき項目の候補は、以下あたりかな、と。
・店名
・タグライン(お店の紹介文、キャッチコピー)
・ホームページアドレス
・電話番号
・住所
・営業時間

お客様の行動を予想すると、たぶん、この広告を見ていきなり来店される方はゼロでしょう。
おそらく、もし広告を見て気になった人は、「ホームページを見る」か、「電話で問い合わせる」かの、どちらかだと思いました。

で、載せる項目候補の"営業時間"ですが、これっているのか?というのが最初の疑問。
割りと載せているお店多いですが、広告を見ていきなり来店という導線を無いと予想した以上、載せる必要ないんじゃないかなというのが僕の考え。

次に思ったのが、「住所は必要か?」ということ。
こっちは悩みました。
広告を見てすぐ来店という行動を考えない以上、住所もいらないんじゃないか、と。
むしろ、「平塚駅から徒歩xx分」という情報だけでもいいんじゃないかなと思ったのです。
で、家族に相談してみると、母親から「住所を載せないのは変じゃない?」という意見が出ました。
僕は住所がいらないと思う理由を説明したのですが、それでも「なんかおかしい。」と。
僕なりに母親が「おかしい」と思った理由を考えてみたのですが、「住所は情報としては重要ではないけれど、載せないと、"何か載せられない理由があるんじゃないか?"と不安を与えるかもしれない」と思いました。
ということで、住所は載せることにしました。

↓ということで、こんな感じかな~とメモ書き
(QRコードは友達から出た意見をメモったもの。だるまやホームページは携帯向けに創っていないので載せないことにしましたが。)


これを元にInkscapeでデザインしてみました。
↓案①


家族に見せると、「まぁこんなもんなんじゃないの?」という感じで、僕自身もこんなもんなのかなぁ、と。
締切が日曜日だったので、とりあえず放置して仕事をせかせかして、土曜日の夜。

そういえば、昔ぉぉっゃさんに教えてもらったデザインの本、ノン・デザイナーズ・デザインブックがあったなぁ、と二階から持ってきてパラパラと眺めてみました。
ふと、「そういえば、知らぬ間に、文字だけという前提条件を作ってしまっていたけど、写真載せたっていいんだよな。」ということを思いつく。

もう締切まで一晩しかない状況だったのですが、とりあえず創ってみようということで創ったのがこちら。
↓案②


一つ創ってみると、次から次へと案が出てきて、じゃぁ店名の背景を暖簾っぽくしてみたらどうだろう、とか、
↓案③


中央揃えをやめたらどうなるだろう、とか、
↓案④


むしろ強調したいURLだけ背景色をつけたらどうだろう、とか考えました。
↓案⑤


で、僕としては、案②か案④のどちらかだな、ということで、この2枚を印刷して、やっと就寝。。。

今朝親父に2案を見せて、どっちがいい?と聞いてみると、「写真があった方がインパクトあるな」ということで、案②になりました。
「写真だけじゃなくて、洗い張りの説明文も入れた方がいいんじゃないか?」とアドバイスももらい、最終的にはこんな感じになりました。

↓最終版

実際には1色なので、写真はもっと分かりづらくなってしまいますけどね。

しかし、5~6時間はかかったなぁ。。もっとかも。

最後に、今回の経験から学んだことをメモ。

・事前の設計が大切
 広告を見る人は誰か、広告を見た後にどのような行動を取るか&取ってほしいかを考える

・他店の広告を見過ぎると縛られる。一度デザインの本などを見直して頭をリセットさせる必要がある。
 どうしても似通ったものを創ってしまう。そのせいで締め切り前日に深夜まで作業してしまった。今後は気をつけよう。

・絵は字よりも強い
 今回は特に、「字ばかりの広告の中に絵がある」からより強くなると思った。
 逆に、他店の広告が絵ばかりだったら、シンプルな文字のみが印象に残る場合もあるだろう。


↓ということで、参考文献です。
広告の連携(メディアミックスやメディアニュートラル)、お客さんにどういう行動を取ってほしいかをという部分は、「明日の広告」を参考にしました。
広告のデザインに関する部分は、「ノン・デザイナーズ・デザインブック」ですね。良書です。
     


しかし、このところホームページ創ったり、チラシ創ったり、広告創ったり、とデザイン関係の作業が多かったですが、めちゃくちゃ楽しかったです。
中学まで美術はずーっと成績悪くて、「どうせデザインセンスないし」と諦めていたのですが、やってみるとこんなに楽しいことはないですね。

今後は苦手意識をちょっと隅に置いておいて、自分のできる範囲で頑張ってみようと思います。

3 件のコメント:

  1. いいじゃん!

    佐藤可士和の超整理術
    http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532165946

    この本、おすすめです。押し入れの整理法みたいなタイトルですが、れっきとしたビジネス書です。(タイトルが失敗だと思う…。)

    クライアントから依頼を受けた後、もやっとした状況を整理しKSFを見つける、デザインの前工程の苦労について書かれています。実践するのは、かなり難しいのですが…。

    明朝とゴシックの混在に違和感がありませんか?特に最終行の「5-7」。
    店名以外は1書体に統一して、メリハリを付けてみては?

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  2. >ぉぉっゃさん
    コメントありがとうございます!
    昔ぉぉっゃさんに教えてもらったノン・デザイナーズ・デザインブックがかなり役立ちました。
    僕の場合、本を読んだだけだと身につかないみたいで、実践してみて初めて気づくことが多かったです。

    フォントについては、僕も手を入れたかったのですが、Inkscapeのフォント設定の仕方が分からず、時間もなかったので今回は諦めました。
    今回創った広告を流用する可能性もあるので、時間があるときに調べてテコ入れしてみます。

    佐藤可士和の超整理術はさっそく購入しました。楽しみです♪

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  3. > 僕の場合、本を読んだだけだと身につかないみたいで、
    > 実践してみて初めて気づくことが多かったです。

    いやいや、私もそうです。
    学びと実践は、成長の両輪だと思いますよ。

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