2014/01/10

iPhoneのKindleで読書をするのが標準になるかも 〜「俺のイタリアン、俺のフレンチ」の感想〜

僕は読書が好きで、今までいろいろな本を読んできました。
2010年あたりから電子書籍が出始めましたが、僕は相変わらず本を買って読んでいました。

理由を考えてみると、「人に勧めたいと思った時に貸せるから」が一番大きな理由だと思います。
それに付随して、本と電子書籍とでそれほど値段が変わらないという理由もありました。
やはり、自分が良いと思った本を人にも読んでもらいたいと思うので、それに打ち勝つほどのメリットを感じなかったんですね。

で、今回「俺のイタリアン、俺のフレンチ」という本を読んでみたいと思って、Amazonで買おうとしたんです。
単行本は1575円、電子書籍が699円でした。
なんと2倍以上の差がありました。

これなら電子書籍版を買おうかなぁと思って買ってみました。

iPhoneのKindleというアプリで読んでみたのですが、結論から言うと、めちゃくちゃ良いですね。
いや、Kindle Paperwhiteも持っているし、電子書籍使ったことはありましたけど、今回改めて良さを実感しました。

まず、荷物が増えない。
本を持ち歩くのは結構疲れます。
Kindle Paperwhiteと単行本だと同じくらいの重さなので、それほどメリットを感じ無かったのですが、iPhoneで読むなら電池の減りを除けばメリットが大きい。

もう一点、本を読んで「良い言葉だな」と思ったところに線を引くのですが、Kindle版は威力を発揮します。
まず、画面を触るだけで簡単にマーキングできる。



そして、マーキングした言葉を一覧できます。



これが結構良い!
実際の本の場合、あの言葉どこに書いてあったかな〜と探さないといけないですが、これだとすぐに見つかって、その周辺を読み返すことができます。

後は貸し借りがうまいことできるようになると完璧に電子書籍に移行しちゃいますねぇ。
アメリカのAmazonでは、著者が許可した書籍のみ、1度だけ14日間貸せるそうです。

一回100円で貸せるとか、どうかな〜。
1500円の本がKindle版だと900円くらいで買えて、それを1回100円で貸せるとかだったら結構良いと思うんだけど。
決済が面倒くさいかなぁ。

で、読んだ本の感想を。

このところ飲食業界にその名を轟かせている「俺のイタリアン」創業者、坂本孝さんの著書です。
ブックオフの創業者である坂本さんはブックオフを辞めてしばらく遊んでいたところで、師匠とあがめる稲盛和夫さんがJALの再建に挑戦するというニュースを聞きます。
そこで、師匠がまだ頑張っているのに自分がのうのうと隠居するわけにはいかないということで、新しく起業を考える。
しかも、全く料理経験もなければ、イタリアンやフレンチの美味しさも分からない(本人談)のに、飲食業界を選ぶわけです。
共に起業した証券会社上がりの安田さん、飲食業界上がりの森野さんとの起業前シミュレーションなどがとても面白い。

コンセプトは、「超一流の食材を超一流のシェフが料理して、回転率を上げることで、値段は通常の半分以下に抑える」

回転率を縦軸、原価を横軸にした売上シミュレーションでは、回転率を2.5まで上げられると原価率68%が損益分岐点になったそうです。
で、俺のイタリアンの平均原価率を45%としているので、その差が利益になる、と。

ちなみにグランメゾン(高級フレンチレストラン)の原価率は18%と言われていて、もし俺のフレンチで原価率を90%にできれば(回転率を4まで上げられると原価率88%が損益分岐点)、グランメゾンで一皿3000円の料理が600円で提供できる、と。

余談ですが、一般的な飲食店の原価率は30%が標準だと聞いたことがあります。
飲み物の原価率は30%より低く、食べ物の原価率は30%より高いので、たくさん飲んでくれるお客さんほどお店からするとありがたいわけですねぇ。
高級フレンチなどはお洒落な店内や、ゆったりとした席、回転率が下がってでもゆっくり食事をしてもらうことで、原価率を下げざるを得ないわけです。料理だけ取ると割高になってしまうわけですね。

俺のイタリアン、俺のフレンチでは、回転率を上げるためにテーブルは置かず、すべて立ち飲み形式です。
超高級食材を超一流シェフが料理して、それを安価でバクバク食べてワインをガブガブ飲んで3000円くらいを平均単価にする、と。
居心地は犠牲にしているわけですね。
そんな構想で「俺の」グループの大躍進が始まるわけです。

僕は今まで噂は聞きつつ、一度も行ったことがないのですが、ますます行ってみたくなりました。
ゆっくり味わいたいという場合には向きませんが、美味しい物をできるだけ安く食べたいというニーズへの現時点での究極の回答かもしれません。

これは行かねば!

本もとても面白く読みやすいです。
久しぶりに3日で読み終わりました。
iPhoneで読んだ上に、このところ仕入れで電車に乗る時間が長かったというのもありますが。

本の中の言葉で一番心に残ったのが、「仕組みで勝って人で圧勝する」でした。
いやぁ、この言葉は本当に良いなぁ。
今後だるまやをやっていく上で目指したい言葉です。

オススメ!

↓左が通常版、右がKindle版です。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿